デートⅣ 顔確認

事前情報どおり40代には見えない感じの若作りオッサンだ。
ヒョロ長い体系でキツネ目。日焼けした肌に中途半端な茶髪、サイズの合ってないラルフローレンのラガーシャツ、おろしたてっぽいチノパンにクラークスのワラビー、手にはシルバーアクセが数点てな感じ。
一昔前の遊び人系大学生風ファッション。こういうオヤジって痛々しいんだよ。
だってこの感じのファッションが流行ってた時もお前はすでにオヤジだっただろ!てさ
巷で何かと話題の"チョイワルオヤジ"とも違うんだよね。無様に若さにすがってるようで。
こうはなりたくない。
軽薄が服着てるような印象だ。
こんな奴とは当然無理だと思い断る。そいつの、緊張を精一杯隠し、余裕を装った態度と卑しい笑み「えー、一緒に来ればいいのにー」とか心にもない誘いにウンザリ。
こんな奴とデートする自分の愛しのマドンナって一体なんだよ!?とゲンナリ
おまけにそいつとマドンナのデート場所は自分の地元にあるスカした創作和食屋。「オヤジ、店がある通りの名前間違えてんなよ!そんな通りねえよボケ!」て感じです。こちとら26年暮らしてるのですよ、この町に。
マドンナから「雨降りそうだから傘かして」と頼まれ、家に傘を取りに行く。
マウンテンバイクだし地元なので10分くらいで全て完了する作業とはいえ、ちょっぴり自分が哀れに感じる。ラブコメのダメ男みたいだな。